「自己肯定感が低くて、自分に自信がもてない。すぐに落ちこんでしまう」
「自分では一生懸命がんばっているつもりだけど、なかなか評価されない。もっと褒められたい」
この記事は、そんな悩みを抱えるあなたに届けたくて書きました。
ボクには今、あなたにどうしても紹介したい人がいます。
その人の名前は、知歩 。
巷では”100円で全力で褒める人“や”プロ褒めリストちほ“として知られ、
「褒められると自己肯定感が爆上がりする」
とSNSを中心にちょっとした注目をあつめています。
この記事は、プロ褒めリストちほさんのインタビュー記事です。
これまで450人以上の人々を褒めで笑顔にしてきたちほさんに実際にお会いして、活動をはじめたきっかけから、褒めに対する想いや褒めの技術、将来の夢まで、ありのままに語っていただきました。
また記事を読めばちほさんのことがすべてわかるように、褒める活動の歴史や褒めを受けた方々の声もご紹介しています。
「SNSで話題の路上で褒める人が何者なのか気になっている」
「プロ褒めリストちほに褒められると、どんな効果があるのかくわしく知りたい」
という方はもちろん、
「メンタルが弱く、心の不調で悩んでいるけど、本格的なカウンセリングはちょっとハードルが高い」
「HSP気質でストレスを感じやすい。もっと気軽に悩みを相談したり、元気をもらえる存在がほしい」
といった悩みを抱えるあなたにも、きっと役立つはずだと信じています。
【ライタープロフィール】
にしむらけいいち(@tuiteru365)
85年鹿児島生まれ。立教大学文学部中退。ブログ「豊かな生き方研究所」を運営。心の不調や人間関係の悩みから引きこもりや転職をくり返していたが、斎藤一人さんの教えに出会って人生が好転。ブログでは"心の楽しさと経済的豊かさの両立”を目指してさまざまなことに挑戦する過程を発信している。
路上で生まれた褒める人が、プロ褒めリストちほとしてメディアで注目されるまで
「そもそもプロ褒めリストちほって何者なの?」
そう疑問に感じる人も少なくないかもしれません。
インタビューの前に、ちほさんの褒める活動の歴史をひも解いてみましょう。
路上で褒める人が生まれた日
21歳の名古屋の女子大生であるちほさんが褒める活動をスタートしたのは、2020年11月18日。
きっかけは人を「褒めたい」ではなく、自分自身が「褒められたい」という想いでした。
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・
— ちほ🍎プロ褒めリスト (@chiho_homeru) November 19, 2020
褒める人 璃子です🍎
名古屋で『100円で褒める人』やってます!
璃子のLINE公式アカウントをフォローしてくださった方に
『璃子の褒めボイス』をプレゼントします🤲
気になる人は覗いてみて👀
【https://t.co/Gb9Yk6rDGJ】
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・ pic.twitter.com/5HWFqZVHlo
↑褒める人としてのはじめてのツイート
当時、自身の容姿に強いコンプレックスを抱えて苦しんでいたちほさんは、卑下する自分を変えるために、大学を休学してさまざまな活動にチャレンジしていました。
撮影モデルの璃子として活動していたときには、地元のテレビ番組*への出演も果たしています。※中京テレビ『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(オドぜひ)
そんな中、路上で歌う100円歌手こーちゃん(@100ensinger)との出会いをきっかけにはじめた路上活動が、「100円で褒める人」でした。
「褒められたらみんな嬉しいだろうな。私も褒められたい人間だし。」
というまっすぐな想いが、彼女に行動を起こさせたのです。
褒めるといっても、ただひと言ふた言さらっと褒めて終わりではありません。ひとり30分間、じっくりと話を聞いて、その人がまだ気づいていない魅力を全力で褒めてくれる。たったの100円で。
「みんな週の始まりでツラくて褒めて欲しいだろうから、私が褒める人をやろう!!」
と決めた活動日は、毎週月曜日。
雨の日も風の日も路上に立ち続け、370名もの悩める人々を全力の褒めで笑顔にしてきました。(屋内での活動も含めると450名以上)
涙ながらに報告した突然の活動休止
いつも明るくてキラキラしているイメージのちほさん。
しかしそんな彼女も、プロ褒めリストという肩書きをのぞけば、どこにでもいる普通に21歳の女子大学生です。
自分の人生や将来について思い悩み、立ちどまってしまうこともありました。
2021年4月17日、涙ながらに報告した突然の活動休止。
この日から3か月間、ちほさんはネットの世界から完全に姿を消します。
のちに公式LINEで一部の人にのみ送られた文章の中には、こんな言葉が綴られていました。
情けない、自分が気持ち悪い、
引用:『ちほ/プロ褒めリスト 〜褒める人が生まれるまで〜』
可能性なんてない、もう何もできない…
頭がグチャグチャになって
いつしか自己否定しかできなくなっていました。
しかし、この全てを変えなければ
私は自分を満たすこともできないし
他人を満たすこともできない
あれほど大好きだった
人生で1番目を輝かせた褒める活動を
絶対に手放したくない
これまでメディア等では話してこなかったのですが、キャバクラ嬢として働いたり、摂食障害で苦しんだりしたこともあったのだそうです。
(のちほどのインタビューでくわしくお話ししてくださいました)
SNSで話題となりテレビが取材に
3カ月の休止期間をへて成長したちほさんは、表面的なことだけでなく、より深い部分の相手の魅力を感じて伝えられるようになりました。
そんな本人の変化を感じとったかのように、路上活動の口コミが次々とSNSに投稿されるように。
そして、転機がおとずれます。
名古屋の観光や飲食店、イベント情報を発信するサイト『おいでよ名古屋』のTwitterアカウント おいなごちゃん(@oinagoya)のツイートが、「3,000リツイート&10,000いいね」の大バズり。
ツイートの影響で、ちほさんを知り応援するファンが急増しました。
名古屋駅前に100円で全力で褒めてくれる人がいて、適当に褒められるのかと思ったら
— おいでよ名古屋@おいなご (@oinagoya) August 3, 2021
すごいちゃんと最近頑張った事とか聞いてくれた上で全力で褒めてくれて自己肯定感爆上がりした…100円以上の価値を感じる… #100円で褒める人 pic.twitter.com/D05edSt3VV
↑おいなごちゃんの紹介でバズったツイート
さらに年末には東海テレビ『ニュースOne』でも特集されることとなり、ニュースの映像と記事は全国版のFNNプライムオンライン(フジテレビ系列局のニュースサイト)でも取り上げられて、大きな反響を呼びました。
帰宅ラッシュの #名古屋駅 で人々が目を向ける女性がいる。
— FNNプライムオンライン (@FNN_News) January 21, 2022
「100円で全力で褒めます」と書かれたプラカードを持つこの女性は名古屋市内の大学3年生の川村知歩さん(20)。
月に一度、駅前の路上で「褒める活動」をしており、一人30分100円で話を聞いて褒めてくれる。https://t.co/qIGs0vG4Si #褒め pic.twitter.com/Q00qlRaBXh
また、日本のオタク文化を世界に発信する人気YouTubeチャンネル『The Anime Man』(登録者320万人)を運営するオーストラリア出身のユーチューバーJoeyさんが、褒める路上活動のすばらしさを紹介。
動画の影響でTwitterのフォロワーは一気に1000人近く増えたそうです。
今年4月には、通過率2〜5%といわれる狭き門を突破して、音声メディアVoicyにて『みんなの褒める部屋』チャンネルを開設。
全力の褒めを届けるための活動を場を、どんどん広げています。
プロ褒めリストちほのこれから
ちほさんは現在、オンラインでの褒めセッションや、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSでの発信を中心に、さまざまな場所で活躍しています。
そんなちほさんには、褒める活動で実現したい大きな夢があるのだそう。
それは、
- 褒める人が常駐する「褒める家」をつくること
- 企業や学校を訪問して、社員さんや学生さんを褒めること
- テレビ番組(ちほの褒めるテレビ)をもつこと
夢の実現のため、これまで誰も通ったことのない道を切り開こうとしています。
ちほさんの挑戦はまだまだはじまったばかり。
「これからどんな風に成長していくのか」今後も目がはなせない存在です。
プロ褒めリストちほの活動年表
プロ褒めリストちほさんの褒める活動の歴史を年表にまとめました。
2020年11月18日 | 「100円で褒める人」の路上活動を開始 (褒める人として、はじめてのツイート) |
---|---|
2021年4月17日 | 活動休止 (活動休止を報告したYouTbue動画) |
2021年7月19日 | 活動再開 (活動再開を報告したYouTbue動画) |
2021年8月3日 | おいなごさん(@oinagoya)の紹介でバズる (バズって1万いいねを達成したツイート) |
2021年9月5日 | 金山マルシェ出店 (出店した当時のツイート) |
2021年10月1日 | 屋内での褒め活動も開始 (「ほめるへや」の報告動画) |
2021年11月18日 | 東海テレビ『ニュースOne』で特集される (特集された映像と記事) |
2021年12月30日 | コミケ99 企業ブース『ドロボー幼稚園』に「褒める保育士」として出演 (出演した当時のツイート) |
2022年4月10日 | 音声メディア Voicyにて『みんなの褒める部屋』を開設 (第1回目の放送) |
プロ褒めリストちほさんへのロングインタビュー
※2022年5月8日、名古屋市内のスタジオにて行われたインタビュー取材の模様を書き起こしたものです。
撮影:JONJON(@jon_jon0814)
キッカケは自分の弱さだった
はじめに、ちほさんの現在の活動についておうかがいします。
ーー褒める活動をはじめたきっかけを教えてもらえますか?
ちほ:褒める活動をはじめたきっかけは、大学1年生のときです。
英語の学部に通っていたのですが「なんだかあまり楽しくないな」って。
「本当にやりたいことって何だろう」
と考えたときに「今の英語を学ぶことじゃないな」と思ったんです。
それで一旦休学をして、何か新しいことをはじめてみようって。
被写体(モデル)の活動だったり、交流会に行ってみたりしているときに、神奈川で100円歌手という活動をやっている方が声をかけてくれました。
私のSNSを見て「休学している者同士、路上活動をしてみませんか?」とDMをいただいて、新しいことに挑戦しようって。
被写体などの活動をやっていたので、自分を褒めてほしいと感じていて、
「きっとみんな褒められたらうれしいだろうな」
と思ったから、100円で褒める活動をはじめました。
ーー褒める活動をはじめる前から、人を褒めることはよくあったんですか?
ちほ:学生時代から、人のいいところを見つけるのが得意ではあったんですね。
「この子ってこういうところがいいよな」
と感じたところを伝えたり。
褒める活動をはじめてから褒める人と呼ばれるようになったんですが、自分はもともと「褒める人」だったと思います。
ーー中学生時代には、バレー部のキャプテンをされていたんですよね?
ちほ:先輩たちが厳しかったので、同級生も後輩には厳しく指導していたんです。
でも私は自分がつらかったから、できるだけやさしく伝えるようにしていました。
もしかしたら、それが後輩からの信頼につながったのかもしれません。
ーーちほさんの褒めを受ける相手は、どんな方が多いですか?
ちほ:性別は男性が多いです。
アンケートをとっているんですが、だいたい男性8割、女性2割くらいの割合ですね。
ーー年齢層はどうですか?
ちほ:年齢層は比較的高めです。新卒や20代の社会人の方や、40代50代のお仕事もだいぶ落ち着いてきたような方がとくに多い印象ですね。
でもお母さんだったり、学生さんだったり、本当にいろいろな方が褒めを受けにきてくれます。
ーー褒めることのやりがいや、活動の原動力を教えてもらえますか?
ちほ:原動力は「褒められたい」という自分の弱さです。
今でも、自分が褒められたいという気持ちはずっとあるんです。
だから「褒められたいです」といってくださる方を見たときに、
「自分と同じなんじゃないか?」
という想いがこみあげてきて、そのときに生まれる力が原動力なんじゃないかなって。
これって勇気とも似ていて、自分と同じような人を見たときに「何か自分にできることはないか?」みたいな想いがこみあげてくることって誰でもありますよね。
たとえば駅の階段で、重い荷物をもって困っているおばあちゃんを見たときに、もしその人にも同じように困った経験があったら「声をかけてみようかな」という動機になったり。
それが、勇気や原動力だと思うんですよね。
ーー駅で困っているおばあちゃんに声かけるのだってドキドキするし、やっぱりすごいことですよ。
ところで、ちほさんが「誰よりも褒められたい」と感じるのはどうしてなんでしょう?ご両親やまわりの大人からあまり褒められなかったから?
ちほ:いえ、褒められてはいました。
だけど「そうじゃないんだよな」と思うところもあって。
私の両親は、(褒めるより)心配が勝るほうなんですよね。
「その人たちと会って大丈夫なの?」「そんな遊びして大丈夫なの?」みたいな。
たとえば部活で賞状をもらったり、目に見えるものはよく褒めてくれたけど、日々の練習のことはそこまで見てもらえていなかったのかなって。
でも親って心配するものだし、どこの家庭でもそういうものなのかもしれないですけど。
娘が路上活動をしているって聞いて「すごいじゃん」とはなかなかいえないですよね。
ーーたしかに。「生きているだけで偉いよ」なんていえるのが理想だけど、なかなか難しいですよね。
ちほ:親じゃない人だったら、路上活動をしていることも褒めてくれると思うんです。
だけどその人たちは、私のことを心配してくれるわけじゃないし。
お父さんとお母さんは私のことを心配してくれるっていう風に思うと、やっぱり私の親は二人しかいないんだなあって。
ーーご両親への深い愛が伝わってきました。
じゃあ何か特別に「褒められたい」と思うようになったキッカケがあったわけではないんでしょうか?
ちほ:自分ががんばって何かに取り組んでいるときに、不確かなものってあると思うんですよ。
「自分ではがんばっているつもりだけど、まわりの人から見たらまだ足りないのかな」
「自分では100%あっているつもりだけど、意外とこれってあっていないのかもしれない」
そういう風に考えたときに、まわりの声を聞きたくなることがあると思うんです。
それが、褒められたいという想いなのかなって。
ーー不安とも近い感情なんですね。
ちほ:そうですね。
たとえばダイエットだったら、自分の中ではキレイになってきているつもりでも、まだ100%うれしいと思えないときには、褒めてもらうことによってもっと確信に近づけたいと感じたり。
ーー褒める活動のやりがいはどうですか?
ちほ:褒められたあとに「よかった」といってくださる方の笑顔を見るのが、すごくうれしいです。
(その人の)心が軽くなったのが、顔を見るとわかるんですよ。
あとは褒めを受けた相手が、自分の個性を自覚して、輝いて、自分の得意なことだけをやりつづけて。
苦手なことは、それを得意とする人にまかせられるようになったらいいなって。
そういう想いはずっとあるんですよね。
私は、苦手なことを何でも苦手じゃないようにしようとしてきて。
「苦手なことは何ですか?」
「できないことは何ですか?」
と聞かれたときに、答えられないんですよ。
人に頼るのが苦手だし、何でもがんばればできるんじゃないかと思っているけど、それってやりたくないことだし。
そうじゃなくて、自分の苦手なこともそれを好きでやっている人にまかせて、その人の苦手なことは私がやって。
そういうほうが効率もいいし、支えあえるし、いいんじゃないかって。
ーーそういう世の中をつくっていきたい?
ちほ:そうですね。
「苦手なことをがんばって得意なことにしよう」というのが、教育の現場でもあると思うんですよ。
国語ができない子は国語をのばしましょうとか、算数ができない子は算数をとか。
でもそれを強要したり、できないことを怒ったりするのはちがうんじゃないかって。
ーーちほさんはこれまで450人以上を褒めてきたそうですが、その中でも一番印象に残っているエピソードを教えてもらえますか?
ちほ:路上活動で出会った、ちょうど同い年くらいの学生さんの話なのですが。
看護系の学校の実習で、ものすごく勉強しなきゃいけない追い込みの時期に、たまたま路上で私を見つけて「褒められたい」って声をかけてくださって。
実習をがんばっているというお話を聞いて、私も全力で褒めを届けました。
それからしばらく経って、その方がまた会いにきてくれたのですが、
「実はあのときすごく切羽詰まっていて、もう家に帰ったら死のうって思っていたくらいしんどかったんだ。
でもちほちゃんが褒めてくれたから、ちほちゃんの顔が思い浮かんで”ここではダメだ”って思いとどまれたんだよ」
と伝えてくださったんです。
それが「やっていてよかったなあ」と感じて、強く印象に残っています。
ーー素敵なお話ですね!今もその方は元気にされているんですか?
ちほ:はい!実習も終わって、無事に卒業されたそうです。
ーーほかにもエピソードが?
ちほ:滋賀県に、子育て支援のセンターがあるんです。
子育てをがんばる親御さんとお子さんが一緒にきて、みんなで交流しあう場所です。
「ぜひちほさんの褒めを、がんばる親御さんや子どもたちに届けてほしい」
と声をかけていただいて。
路上活動をしている時期だったので、路上とはまたちがう場所で褒めを届けられることが本当にうれしくて。
それで褒めた子どもの中に、絵を描くのがすごく上手な子がいたんです。
でも「学校ではあまり褒められない」といっていて。
その子は学校があまり好きではなくて、休みがちだったんですね。
お会いしたときも、少し暗い印象で。
だけどとてもかわいい絵を描く子だから、
「この絵すごく上手だよ!どうしてこういう絵を書いたの?」
って絵や絵にかける想いを褒めていたら、その子の顔がどんどん明るくなってきて。
「うれしい」って笑顔になってくれて、自分の強みを見つけたような顔をしていました。
その子が帰り際に「ちほちゃん、これ」と絵をわたしてくれたんです。
路上活動をしている私の絵に、いろんなメッセージを描いてくれて「今日はありがとう」って。
そうやって、次世代の子どもにも想いが伝わったこと。
褒めをとおして、その子の魅力を伝えられたことがすごくうれしかったです。
ーー素敵なエピソードをありがとうございます。
褒める活動をはじめる前とはじめたあとで、自分の中で何か変化はありましたか?
ちほ:自分と向きあう時間が増えました。
他人を褒めるには、自分自身を褒める必要があると思うんですよね。
相手のいいところを知るにも、結局は自分のいいところを知っていないと。
自分の範囲外のことって褒められないから、まずはとにかく自分自身のいいところを知って「あふれたもの」を褒めるみたいな感覚なんです。
褒める活動をはじめる前は、自分のよさも全然わからなかったし、自信もなかったんです。
でも褒める活動をはじめてから、自分とより向きあうようになって、 自分のことを深く知れるようになりました。
ーー「あふれたもの」というのは、コップの水がいっぱいになってあふれてくるようなイメージですか?
ちほ:そういう感じです。
路上活動をはじめたてのころは、(コップの水が)カラッカラになるまでやりつづけてしまっていて。
とにかく他人を満たそう満たそうと必死で、自分のことをないがしろにしちゃっていたんです。
でもまず自分のいいところを知って、自分自身の「本当にやりたい」という想いを大切にしたうえで、褒める活動をすることが大事だなと思ったんですよね。
「生きていること」から褒める
次に「褒めること」そのものの魅力や技術についておうかがいします。
ーーちほさんと同じように、人を褒めたり相談にのるお仕事をされている方も多いですが、そういう方々とちほさんの違いは何だと思いますか?
ちほ:私自身は、(ほかの人の)褒める活動を体験したことはないんです。
体験してみたいと思ったことはあるんですが、SNSなどを見ていて、
「この人は本当に自分を褒めてくれるのかな?」
「ちょっとこの人にはお願いしにくいかも」
と感じたんですね。
だから私の褒める活動では、自分の考えややっていることをもっとオープンにしようって。
まず自分の想いをみんなに発信する。
「自分がどんな人であるか」というのを用意しておくこと。
そして、その人のより深くにある魅力を伝えること。
「かゆいところに手が届く」といわれることがあるんですが、それってその人がずっと抱えていた
「そうそう、こういうことを褒められたかったんだよ」
「自分の中ではすごく自信があるんだけど、みんな褒めてくれないなあ」
みたいな部分だと思うんです。
どんどん押しこめられてしまっていたその人の魅力の本質をつかむことが、私の褒めのこだわりですね。
ーー魅力の本質をつかむために、どういうことを意識していますか?
ちほ:とにかく相手を知ることです。
相手の背景だったり、
「どんな想いでこういうことをされたんですか?」
「最初のキッカケは何ですか?」
などと、とにかく相手の話をきいて、
「この人はこういうことを大切にされる方なんだ」
「思いやりのある方なんだなあ」
「意外とアグレッシブなところがあるんだなあ」
みたいに、とにかく相手を知ることで、どんどん深い部分を引き出していくのがコツです。
ーー深い部分をつかめたときには「これだ!」みたいな手ごたえを感じるものですか?
ちほ:説明しにくいんですけど、
「この人はコレだ!」
という感覚があるんですよね。
それを思ったとおりにお伝えしています。
ーー相手の褒めるところが見つからなくて、困ることはないですか?
ちほ:人って褒めるところが必ずひとつあるんですよ。
私はもう、生きていることから褒めるんですよね。
「褒められたい」といってくれているということは、絶対に生きているじゃないですか。
そこから私は褒められるから、
「褒めることがないな」
と感じたことは1回もないです。
褒めるところが見つかるまで聞くし、その人の背景や想いを深掘りしますね。
ーー褒める活動をはじめたときから、1回もないんですか?
ちほ:はじめたときはありました。
「この人ちょっとヤバいな」(笑)
という人もいたんですよ。
たとえば路上活動をしているときに、不倫しているカップルが座ったことがあったんですね。
そのとき私は19歳で「不倫はダメだ」って教わって育ってきたから、目の前のカップルから
「自分たちはそういう関係なんです」
といわれたときに「どう褒めよう」って悩んじゃって。
「いろんな愛のカタチがありますよねえ」
くらいしかいえなかったんですけど。
その人たちも私の倫理観にはあわないだけで、ほかの部分だったら褒められることもあるし。
ーーうまく褒めるために、何か勉強されていたり、心がけていることはありますか?
ちほ:普段からしていることは、とにかくいろいろな物ごとに目を向けることです。
たとえば電車にのったら、
「この電車が今日も時刻どおりに着くのはすごくありがたいな」
「電車にのれることも当たり前じゃないな」
という風に意識をめぐらせることがあるんですね。
そういう風にしていたら、2, 3か月後に車掌さんを褒める機会があって。
「電車が時刻どおりに着くのは、あなた(車掌さん)のおかげですよね」
みたいに、褒めにつながるんですよね。
いろんな物ごとに対しての感謝だったり、気づきだったり、学びを得ようとする姿勢は絶対に忘れないようにしています。
ーーそういう学びを得ることで、自分もどんどんしあわせになれそうですね。
ちほ:そうですね。
「ここにもしあわせがあるんだ」
という風に、日常の小さなしあわせに気づけるようになりました。
ーーちほさんに実際に褒められてみて、褒める言葉はもちろん、こちらまでしあわせな気分になれるようなステキな笑顔が非常に印象的でした。
いい笑顔を作るために心がけていることはありますか?
ちほ:心の底から楽しむことが大切だと思います。
路上活動をしていたときには「笑顔をつくれるようになろう」としていたんですよね。
自撮りをして「今日は褒める活動をやりますよ」とやっていたから、やっぱりキレイに撮りたくて。
路上活動ではツラいこともたくさんあったし、すっごい寒かったし、無理をして笑顔をつくっていたら、笑顔がどんどん引きつっていくんですよね。
そのときと比べたら今は、オンラインでも対面でも、
「本当にこの人に伝えたい」
という想いを屋内で直接伝えられて、その人がすごくいいリアクションをしてくださって。
そうなると、もう心から笑顔があふれるんですよね。
本当の自分でいることが、笑顔に直結するんじゃないかなと思います。
ーー日本人は褒める人が少ないといわれますが、ちほさんから見て、褒める人が少ない理由は何だと思いますか?どうすれば褒める人が増えるでしょう?
ちほ:そもそも「自分を褒められていないことが原因なんじゃないか」と思うんです。
「自分自身を褒めることができなかったら、他人を褒めることはできない」
と思っていて。
たとえば、その人が若手のときに褒められなかったとか。
どれだけがんばっても「ノルマを達成していないからダメだ」と褒められなかったとか。
そういう人たちが上司になったときに、褒められるかといわれたら、きっとできないですよね。
それは何でかっていったら、自分自身を褒められていないからなんです。
自分自身が何かを達成できなかったとしても「がんばったよな」って、自分のことを少しいたわると、まわりの人にもやさしくできるんじゃないかなと思います。
ーー人を褒めるときに、気をつけたほうがいいことはありますか?
ちほ:絶対にウソをつかないことです。
お世辞ってあるじゃないですか。
お世辞も褒めにはいると思うんですけど、結局その先に生まれるものって偽物だし、偽物の人間関係が生まれていっちゃうから、
「この人のこういうところ、本当に魅力的だな」
と心の底から感じたものを伝えることが大切です。
たとえつたなかったとしても、ウソの言葉よりもその人から生まれた純粋な言葉のほうがキレイだと思うから、自分の感じたことを素直に伝えるようにしています。
あとは「これはいわれてもあんまりうれしくないかもな」ということはなるべくいいません。
たとえば「ぽっちゃりしていてかわいいね」だったり。
ホントに思ったことだとしても、いい方を変えたりするのは大事です。
ーー休止期間をへて褒め方が変わったそうですが、休止以前には、ウソをついたり自分の気持ちを偽ったりして失敗することもありましたか?
ちほ:ありました。
(休止前に)路上活動をしていたときには、とにかく相手を喜ばせようという気持ちが先行して、本当に思っていなくても褒めちゃったりしていたんですね。
「この人はこういわれたらうれしいんだろうな」
というのを褒めていたときがあったんです。
私の考えではAだけど、その人の考えではBだったらBを優先しようみたいな。
お世辞をいっていたこともありますね。
ーーそういう偽りの褒めを伝えたときに、相手の反応は今とはちがいましたか?
ちほ:受けとった側からしたらうれしいんじゃないかな。
でも私自身の気持ちが全然ちがいましたね。
「ウソついちゃったなあ」
「この言葉には責任をもっていないよな」
という負債がどんどん積みあがってきちゃって「これはちがう」と感じるようになりました。
自分軸が「褒め」を変えた
ーー休止期間中に「自分軸をもてたこと」で大きく成長できたとお聞きしました。自分軸について教えていただけますか?
ちほ:自分軸というのはとにかく自分の感覚を使うことです。
自分の意思を他人にまかせないことが自分軸だと思っています。
「こういう風にいったら相手が喜ぶだろうな」って結局、自分の本音じゃないんですよね。
過去の私は、100%他人のために動いてしまうところがあって。
自分のことをないがしろにしてでも、他人に尽くそうという想いが強すぎて。
「他人を満たすためにも、自分の軸がしっかりないと、他人の人生を生きていることになっちゃうよ」
と知人からいわれて、
「もうちょっと自分軸というものをもったほうがいいな」
と感じたんですよね。
自分軸がもてたことで自分の意志をきちんと選択できるようになったから、本当に純粋に自分の心の中からでる褒めを提供できるようになったし、(心の)負債を重ねることがなくなって、本当に思ったものをお伝えできるようになりました。
ーー他人中心の他人軸で生きていて、何か失敗してしまったことはありますか?
ちほ:全然知らない女の子なのですが、「毒親から暴力を受けている」とTwitterで発信していた子がいたんですね。
それで、だんだんその子のことが頭から離れなくなっちゃって、DMでいろいろと話を聞いていました。
「もう死にたい」「またリスカした」みたいなことばかりいっていて。
そのとき私は大学1年生で、その子は中二だったんですけど、
「大人になったらもっと好きなことをいっぱいできるよ」
というのを伝えたくて、東京まで会いにいって。
「好きなことしなよ」って。
原宿に行って、お菓子とかアクセサリーとか、その子がほしいものを全部買ってあげたり。
その子のために6時間くらい電話をしたこともありました。
ーーすごい…。イヤじゃないんですか?
ちほ:イヤじゃなくて、そのときはカラダが勝手に動く感じだったんですよね。
ーー他人軸で生きていたときには、褒める活動もあまりうまくいかなかった?
ちほ:そうですね。
全然うまくいかなかったし、言葉も途切れ途切れだったり。
(相手が)「何をいわれたらうれしいのか?」というのが最初にきていて。
会話中も考えを巡らせすぎて、自分もすごく疲れていました。
今はあまり考えないというか、呼吸レベルであふれてくるものを伝えているんですが、
そのときは「お仕事すごいがんばってますよ」とか「たしかに何かできそうですもんね」とか、相手がいわれてうれしそうなことを、自分が深く思っていなくてもいってしまったりしていて。
言葉に責任をもてていなかったと感じます。
ーーちほさんのように自分軸をもてるようになるには、どういうことをすればいいんでしょう?
ちほ:とにかく自分の本質に迫るのがいいと思います。
本質というのは、
「もっと自分の深くにある想いって何だろう」
という部分です。
まずは自分自身のささいな想いでも向きあうこと。
「本当は、もっと親から褒められたいんだよな」「どっちのジュースを飲もうかな」みたいな何気ないことでもいいから、とにかく自分を知ることが自分軸を太くする方法なんじゃないかなと。
ちゃんと自分で決めて、ささいことでも学びを得ようとすることが大切です。
「もうここじゃないな」
ーー(活動休止後に)活動を再開してから反響が増えたそうですが、自分の中でも変化はありましたか?
ちほ:休止期間がなければ、今でも路上活動をしていたと思うんです。
休止期間をへて1カ月くらい路上活動をしていたのですが、その期間に、
「今、本当に自分の思っていることをいえているな」
と感じながら活動ができて。
それで
「もうここじゃないな」
と思ってレンタルスペースを借りて、きちんとした場所でやるようになったのも、目に見えた変化です。
ーー「もうここじゃないな」というのは?
ちほ:路上では(できることが)限られてくるし、Twitterで「ここでやりますよ」とつぶやいても、結局現地で集客するしかなくて。
その道を通っている人にしか私の存在を知られることはないし、
「もしかしたら、日本のどこかにもっと褒められたい人がいるんじゃないか」
と思ったら、もうここじゃないなって。
ーーなるほど。さらに多くの人に褒めを届けたくなったんですね。
ちほ:路上活動をしているときも、意外と待ち時間が長かったんですよ。
お客さんがこなくて何十分も待ちつづけることもあって。
そういうときに、
「もし東京でやったらもっと人がきてくれるのかな」
なんて、ずっと考えていました。
ーーじゃあ別に路上活動がイヤになったわけではないんですよね?
ちほ:ではないですね。
でも自分のことを”100円”で売るのは、実はすごくイヤだったんですよ。
「寒いし、もう100円でやりたくない」
っていろんな人に相談をしていて(笑)
でも終わったあとの達成感で、なんとかもちこたえていて。
ーーたしかに100円でやることではないですよね(笑)
ちほ:今はきちんといただいているんですが、あの過程はとても大切だったと思います。
「いくらが妥当だと思いますか?」というアンケートでも、
1,000円で褒めていれば「1,000円」と返ってくるし、3,000円なら「3,000円」、5,000円なら「5,000円」と返ってくるんですよ。
それで結局、自分の価値のつけ方次第なんだなって。
「その価値でも受けたいと思ってくれる人に届ければいいんだ」
と思えるようになりました。
ーー「お金のためじゃないの?」みたいな批判もあったりするんじゃないですか?
ちほ:あります、あります。
でも100円でやっていたときのほうがあったかも。
「金稼げてよかったな」とか「結局金取るんかよ」なんていわれたこともありますよ。
ーーひどい(笑)
ちほ:「お金稼ぐためだったら、もっと効率のいいバイトしとるわ」って思うんですけど(笑)
自分は痩せていないとかわいくない
ーー過度なダイエットで摂食障害になって悩んだ時期もあったそうですね。
そもそも摂食障害とはどんな病気なんでしょう?
ちほ:食べられなくなる拒食症だったり、逆に食べ過ぎちゃう過食症だったり。
私は過食症だったんですが、食べすぎてその罪悪感で「太ったらダメだ」って。
トイレに行って、喉に指をつっこんで吐いていました。
時期的には大学に入学する前、18歳の頃ですね。
ーー過食症になってしまったキッカケは何だったんですか?
ちほ:18歳のころ、インターネット上で出会ったすごく好きな人がいて。
それでその人と会う約束をして、当時でも痩せ型だったのですが、
「はじめて会うまでに、もっと痩せて綺麗にならなければ」
と無理なダイエットをして…。
ーー無理しすぎちゃったんですね。
ちほ:そうなんです。でも結局その人とは会えなくて。
その名残で
「自分は痩せていないとかわいくない」
と思うようになってしまい、自分の容姿にも自信がまったくもてず、ブスだってずっと自己否定していました。
当時は今より5、6kgくらい痩せてたいんですけど。
ーーガリガリじゃないですか!
ちほ:そのときはまだまだ太っているからもっと痩せないといけないと思っていて。
でも食べたいから食べて、食べたらダメだから吐いて。
そんなことをずっとくりかえしていました。
ーー病院に行ったりはしなかったんですか?
ちほ:行かなかったです。
親にもいえなかったし。
ーーそっか、1人で悩んでツラかったですよね。
ちほ:なかなか自分を認めることができていなかったので。
11月に路上活動をはじめてから休止期間まで、頻度は少なくなってきていましたが、過食嘔吐してしまう日はありました。
ーー今は大丈夫なんですよね?
ちほ:大丈夫です!ときどき食べ過ぎちゃったなって思うくらい(笑)
休止期間中に改善されていって、(当時より)少し太ったけど、そのときよりずっと自分のことを好きって思えるようになりました。
キャバ嬢”みかこ”になりきることが苦痛に…
ーーちほさんは、キャバクラ嬢をやっていたこともあるそうですね?
ちほ:2020年の11月から褒める路上活動をはじめたのですが、12月ごろに体験入店をして、それから半年ほど働いていました。
ーー路上活動と平行してやっていたんですね。働きはじめたキッカケは?
ちほ:そのときの動機は、大学の授業料(奨学金)を自分で出したい、自己肯定感をあげたい、トークスキルが身につくお仕事をしてみたいという気持ちがありました。
先ほどの摂食障害につながるのですが、当時から自己肯定感がまったくなくて。
働く前は年上の人とお話をして「かわいい」とチヤホヤされるイメージだったため、働いてみようと思いました。
ーーなるほど。実際働いてみてどうでした?
ちほ:現実はそう甘くなくて、続けていく中でお客様から求められる(源氏名の)“みかこ”像になりきることが苦痛になってきちゃって…
お客さんに肩を舐められたり、ソファーに押し倒されたこともあったんですよ。
でもその時は”みかこ”だったから「嫌だ!」と反抗できなかったんです。
ーーえ?!そんなお客さんがいるんですね。
ちほ:いいお客さんもいらっしゃったのですが、そういうこともあったりして。
路上活動をしている”ちほ”ではなく、キャバ嬢の”みかこ”を演じて、本音を隠してお金をいただいていることが苦痛に感じてきちゃって。
ーーそれで辞めることに?
ちほ:休止期間中、(キャバクラをお休みして)下田のガールズバーでも働いてみたんです。お仕事場があわないからかもしれないと思って。
住み込みのリゾートバイトだったんですけど、7日間連続で働いたんですね。
そのとき本当にしんどくて。
「自分と違う人格になる水商売はあっていない」と気づいて、
「一生本音を隠さないように、痛い目にあっておこう」
と、最終日に人生で1番たくさんお酒を飲んだんです。
がぶがぶお酒を飲んで「もうこんなとこ辞めたらー!!」って(笑)
ドレスもそのお店に寄付して帰ってきて、そのままキャバクラも辞めました。
ーーすごい経験(笑)キャバクラで働いたことも活動休止に影響したのでしょうか?
ちほ:いろいろなことに対して「本当の自分」を隠していたなあって。
路上活動の(思っていなくても褒めるような)褒め方もそうだし、キャバクラでもお客様に本音の自分を隠しているし、お父さんのことも怖いって避けていたり…。
その限界がきて休止して、本当の自分を見つめなおすことにしたんです。
ーーそうだったんですね…キャバクラで働いてみて、勉強になったり役に立ったことはありますか?
ちほ:年上の人と臆せずに話せるようになりました。
あとはスルースキルだったり、お客様への気遣いやマナーも学べたんじゃないかと思います。
ーーいやあ、おもしろいなあ。でも褒める活動の裏でキャバクラでも働いていたことを話すのは、かなり勇気が必要だったんじゃないですか?
ちほ:そうですね。
「イメージが下がるからあんまりいわないほうがいいよ」
といわれたこともあり、ずっと隠してきたのですが、”今の私”はSNSで見せるような一面だけではなく、『ツラい過去』を乗り越えた上で”今の私”があることをお伝えしたかったんです。
当時はキャバクラも、懸命に働いておりましたし。
ーーキャバクラも立派なお仕事ですからね!
それにそういう過去もあったけど乗り越えてがんばっているというのは、きっと見ている人にも勇気を与えますよ。
個性を活かして支えあえる、しあわせがめぐる社会を目指して
ーー最後に、今後の夢や目標、理想の働き方や生き方について教えてもらえますか?
ちほ:自分のやりたいという気持ちをとにかく大事にすること。
あまり義務感にとらわれたくないから、自分のやりたいという気持ちをまずは大切にしていきたいです。
個性を尊重して、それを活かせるような場に積極的におもむくことが、自分のこれからの生き方なのかなと。
最近は、自分ひとりではできないこともたくさんあるなと感じていて。
路上活動もそうなんですけど、今までは何でもひとりでやってきちゃってたんですよね。
「ホントはこれ苦手なのに…」というのも結構あったんですけど。
もっといろいろな人と協力して何かするのもいいなと思っています。
ーーこれからの人生でも、褒めることを主軸に活動していくつもりですか?
ちほ:そうですね。
褒めるという手段を大切にして、その人にしかない個性をもっと活かせるような場所や機会をつくれたらいいなと思っています。
ーー「日常に褒めと幸せがあふれる世界の実現」という自身のキャッチコピーについて、くわしく教えていただけますか?
ちほ:その人自身の得意なことや好きなことを活かせる社会になればいいなって。
たとえば学校でも「短所や苦手なことを得意にさせよう」みたいな風潮がありますよね。
国語が苦手だったら、国語を得意にさせようとか。
でもそうじゃなくて、得意な子が得意なことをすればいいし、できなければ得意な子に頼めばいいと思うんです。
お互いが得意なことで支えあえばいいし、それが個性を活かして支えあえる、しあわせがめぐる社会なんじゃないかなと。
ーー今は大学を休学されているそうですが、今後は大学に通いながら活動をつづけていくんでしょうか?
ちほ:正直まだ迷っています。
もともと自分の本当にやりたいことを見つけるために休学したんですね。
今やっている褒める活動は本当にやりたいことなので、(まわりの人に相談したときに)
「やりたいことを見つけたんだったら大学はもういいんじゃないか」
という声もありましたし、一方で
「ちゃんと大学をでたほうがいいんじゃない?」
という声もあって。
正直、今はゆらいでいるところではあるんですけれども、大学をやめても復学しても、褒める活動はやめないと思います。
ーー最近、音声メディアのVoicyでの配信もはじめられましたが、経緯や想いを聞かせていただけますか?
ちほ:Voicyをはじめた経緯は、もともと褒めるラジオをすごくやりたかったんですね。
「褒められたい」という視聴者さんに声を届けるラジオって今までなかったし、それを自分がやりたいと思っていたんです。
それでVoicyの運営の方から声をかけていただいたときに「やりたかったことができる!」って。
チャンネル名が『みんなの褒める部屋』という名前なので、聞いてくださっている方が少しでも
「心が軽くなるな」
「今、自分のことを褒められたな」
と思えるような放送にしたいという想いがあります。
(数字的に)チャンネルをさらに盛り上げて人気になりたいというのもあるし、私の発信をとおして、
「自分もこういう魅力があるんじゃないか」
という自分自身の本質を知るキッカケになったらうれしいです。
ーーVoicyではすでに何度も放送をされていますが、手ごたえは感じていますか?
ちほ:本当にいろんな方がコメントをくださっていて、すごくうれしいなと思っています。
いつも最初に「おかえりなさい」というんですけど、
「おかえりなさいといってくれるのがすごくいい」
とDMをいただいたり、コメントで「ただいま」といってくださる方がいたり。
「少しは心の居場所になれているのかな」という手ごたえはあります。
ーー将来的には企業や学校でも褒める活動をしてみたいそうですが、具体的にはどんな活動をしたいですか?
ちほ:今の1対1の褒めセッションもつづけていきたいんですが、1対多のリアルな場所での発信もやっていきたくて。
直接会って一人ひとりの意識を変えるという面でも、学校や会社がいいんじゃないかと。
「自分の褒めがどんなものなのか」
「その子の魅力をのばすためにはどうすればいいか」
というのを伝えられるようになったらいいなと強く思っています。
ーー会社で働く人たちには、どんなことを伝えたいですか?
ちほ:ノルマを達成できなかったり、結果がでなかったり、人間関係のトラブルがあったり…そういう問題を抱えている自分でも褒められたいというお客さんが、今までにいらっしゃったんですよね。
そういう方がいらっしゃるということは、同じような悩みを抱えながら働く人もたくさんいるんじゃないかって。
だから結果しか褒めないんじゃなくて、結果を出すためにがんばる過程や、その人の想いをもっと見るようにすることの大切さを、講演や講座をとおしてお伝えできたらいいなと思っています。
ーー「褒める家をつくりたい」という夢もあるそうですが、褒める家はどんな場所なんでしょう?
ちほ:一人ひとりが魅力に気づいて、その魅力を活かせるような場所をつくりたいと思っているんですね。
たとえば絵が得意な子だったら、その絵を褒める家にかざって販売できるような形にしたり。
歌が得意な子だったら、歌を披露する場所をつくったり。
それでお客さん同士が「上手だね」と褒めあえるような場所を作りたいです。
ーーちほさんが主役というより、みんなが主役になれるような場所なんですね。
ちほ:そのとおりです。
みんなが主役で、みんなが主役を褒める。
褒める人も気持ちいいだろうし、褒められるともっと気持ちいいと思うから、それでみんなの人生が少しでも明るくなったらいいなと考えています。
ーー本サイトのテーマは「精神的にも経済的にも豊かに生きるために役立つ情報を紹介する」ことなのですが、ちほさんが考える「豊かな生き方」とは、どんな生き方でしょうか?
ちほ:(精神的な豊かさも経済的な豊かさも)両方あっての総合的なものだと思います。
ただ、どちらかといえば精神的な豊かさのほうが大切なんじゃないかなって。
たとえお金が何百万、何千万あったとしても、精神的に豊かじゃないと喜べないと思うので、まずは精神的な豊かさを磨く必要があるんじゃないでしょうか。
ーー精神的な豊かさが先で、あとから経済的な豊かさがついてくる?
ちほ:そうだと思います。
お金があるのに喜べない人を何人か見てきて、
「この人、私より絶対にお金があるのに、何かしあわせそうじゃないな」
と感じることがあったんです。
それって本当の豊かさではないのかななんて。
だから私にとっての豊かさは、心も豊かで、経済的にも豊かなんですが、ベースに心がありますね。
ちほさんの褒めを受けた人々の声
ここからは、ちほさんの褒めセッションを受けた方々から寄せられた声をご紹介します。
※SNS等の転載ではなく、すべてこの記事のために特別に書いていただいた生の感想です。
いっせんさん(@ieskirist_issei)
【ちほさんの褒めはまさしく太陽】
ちほさんのおかげで私は整体師として
さらに自信がつきました。
私のやっている活動だけでなく、
その裏にかける想いや
人柄まで評価してださったからです。
心から人を尊敬し勇気づける褒めは
あるがままの彼女の生き方で人を導く
太陽のようなイメージを感じました。
これからも益々多くの方々の人生を
素晴らしい褒めを通して救っていかれて
くださいね!応援しています!
たわんさん(@lightotawan)
私の目に流れ込んできたのは「全力で褒める人」というキャッチーなネーミングでした。
ふと歩みを止めました。あれ? 最近人を褒めただろうか。最後に褒められたのはいつだろう?
皮肉にもブクブクと音を立てて浮かび弾けたのは、褒めてもらえなかった悔しい思い出。総代に選ばれ胸を躍らせた矢先、コロナで中止になった卒業式。学生時代の努力が水の泡と帰しました。
ちほさんに褒めていただく中で、濁水がさらさらと浄化されるように視界が開けました。私自身が私を褒めていなかったのです。
ちほさんに褒めていただくと心がくすぐったく、素直に受け入れられない私が存在しました。これは大問題。心が枯れてしまう。
褒め慣れていない私自身に驚きつつも、まずは私が私を褒めようと気付かされました。
タマコさん(@tamakotama369)
ちほさんから褒めて頂いて、自分のイラストや自分自身について、【足りない】や【今の自分ではダメだ】という思い込みの枠にハマっていた事に気付かせて頂きました。
人の言葉で気にしていた事、自分の思いを自分で否定していた事にもです。
ちほさんはじっくりと話を聞いてくださり【 聞いて欲しい!共感して欲しい!】も満たしながら、その枠を外してくださいました。
私は私の思うままで良くて、沢山の誰かに認められなくてもいい。
ありのままのタマコさんで十分オリジナリティが溢れている
の言葉には心が溶けました。
母親の部分でも褒めて頂いて、子育てや不登校、フリースクールなどのお話や気持ちもシェア出来て嬉しかったです。
優しくて芯のあるちほさんからの褒めを受け取れた私は幸せだと感じています。
マモさん(@mamomiso1982)
【完璧じゃなくても大丈夫を教えてくれました】
ちほちゃんに褒めてもらうと自己肯定感が爆上がりするので、ぜひ皆さんにも受けてもらいたいと思っています。
普通に社会で生きていると「できて当然」「失敗したら叱られる」ということが多いですが、ちほちゃんと会話していると失敗していることすら褒めてくれます。
その度に完璧じゃなくていいんだなぁと思えますし、失敗してもいいんだと励まされます。
ちほちゃん自身チャレンジ精神旺盛な女性で、すべてが順風満帆というわけでなく、幾度となく挫折を味わっているのを知っています。
そんな彼女だからこそ褒めてもらえることに重みを感じます。
ただ単に嬉しいということだけでなく、学びや気づきを与えてくれるちほちゃんの褒め活動がずっと続くといいなと思います。
プロ褒めリストちほさんの褒めを受けて、自分自身が日々生きていて気付かなかった事を気づかせてくれるそんな素敵な時間になりました。
日常生活でも仕事の事でも普段普通にやっている事でも色々な視点から褒めていただき、人や物事に対して新しい視点で見ることができるようになりました。
成果だけじゃなくて行動の動機から成果に向かう過程まで私は気づかなかった事を「こういうとこが普通じゃない、こうやって行動できるのが凄い!」 色々な視点から理由を説明して褒めていただき凄く自信がつきました。
今では過去に【何気ないこと】と自分が思っていたことでも自身で褒めてみたり、少しの幸せを発見していって日々楽しんでいます。
そういう行動のきっかけをいただけた【ちほの褒め】を受けれて良かったと思ってます!
褒める活動には無限の可能性がある
「やってることはキャバ嬢と変わらないじゃん。どうせ若くてかわいい女の子だから応援しているだけでしょ?」
「いい商売だなあ。学生のお遊びの延長で就活のためにやってるんじゃないの?」
もしかしたら、記事を読んでそんな風に感じた方もいるかもしれませんね。
たしかにちほさんは若くてキレイな女性ですし、「かわいい女子大生」というアイコンが、SNSの口コミで話題を集めるキッカケとなったのは間違いありません。
もし仮に、ボクのような足の短いおじさんが褒める活動をしていても、これほど注目されることはなかったでしょう。
でも、それでいいんじゃないですかね。
「若さ」はすべての人間に等しくあたえられた魅力です。
ちほさんは容姿に強いコンプレックスを抱えていましたが、「どんな人に褒められたらうれしいか」を考えながら、お化粧をしたり食事や運動に気をつかったりして、内面も外面も磨いています。
自分の武器や得意なことを活かして、勇気をもって社会に貢献しようとするのは、ステキなことだと思いませんか?
それに「人を褒めることは、豊かに生きるために最も大切な要素のひとつである」と、ボクは考えています。
人間関係の歴史的名著として名高いD・カーネギー『人を動かす』の中でも
「褒めることが、人生をいかにすばらしいものにしてくれるか」
が何度も何度もくりかえし説かれています。
褒めは人を笑顔にし、笑顔は次々と連鎖します。
あなたが目の前の人を褒めれば、バタフライ効果で褒めがめぐって、世界のどこかのだれかが笑顔になれるかもしれません。
プロ褒めリストちほの褒める活動には、今よりもっとおもしろく、もっとステキな世の中を実現するための、無限の可能性が秘められているのです。
ここまで記事を読んで、
「ちほさんの褒めを受けてみたい」
「ちほさんの今後の活動を応援したい」
と少しでも感じてくださったら、ぜひLINEでちほさんを友だち追加してみてください。
上記のQRコードかリンクから公式LINEを友だち追加すると、ちほさんの活動の最新情報や大切なお知らせをいち早く受けとれます。
◇プロ褒めリストちほさんのSNS
Twitter:@chiho_homeru
Instagram:@chiho_homeru
YouTube:ちほの褒めちゃんねる
Voicy:みんなの褒める部屋
文:にしむら
撮影:JONJON(@jon_jon0814)
※タイトルおよび文中の「ほめる」という言葉に関して、ご本人の意向で、漢字で「褒める」と表現しております。
「褒」という漢字には、”親が子を抱きかかえる” “布でくるむ“といった意味があります。
ちほさんはこの由来を知ってから、
「みなさんの心を包み込むような褒めをお届けしたい」
という想いをこめて「褒める」という字を使っているのだそうです。