人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

稲盛和夫『生き方』
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稲盛和夫先生は、著書『生き方』の中で、人生や仕事で成功するための方法として、次のような方程式を紹介されている。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

能力とは、先天的な資質を意味する。

何かの才能があるとか知能が高いとか、あるいは健康や運動神経なども能力の一種だ。

次に熱意とは、事をなそうとする情熱や努力する心を指す。
才能と違って、熱意は後天的な要素。

最後に考え方。
考え方というのは、心のあり方や生きる姿勢、人生の哲学や理念、思想をいう。
「3つの要素の中でもっとも大切なもので、この考え方次第で人生は決まってしまうといっても過言ではない」と、稲盛先生はおっしゃっている。

そして大切なのは、人生や仕事の成果は3つの要素の掛け算で決まるということ。
足し算ではなく掛け算で。

だからたとえ熱意が100点、能力も100点だったとしても、考え方が0点であれば、得られる成果も0点になってしまう。

さらに考え方はマイナス方向に振れることもある。
-100【考え方】×100【熱意】×100【能力】=-1,000,000点
マイナス100万点!せっかく熱意や能力にあふれていても、考え方次第ではまったく逆の結果をもたらしかねない。

稲盛先生は、就職難で大学を出てもなかなか就職が決まらず「いっそヤクザにでもなろうか」と考えたことがあったそうだ。

稲盛先生くらいの熱意や能力があればヤクザになってもどんどん出世をして大きな組を束ねる組長にもなれたかもしれない。
しかし根っこの考え方がネガティブでゆがんでいるので、決して幸せで恵まれた人生とはいなかっただろう。

では幸せで恵まれた人生を歩むためには、どんな考え方を持てばいいのか?

稲盛先生は、プラス方向の考え方(=よい心)を次にように定義している。

「つねに前向きで建設的であること。感謝の心をもち、みんなといっしょに歩もうという協調性を有していること。明るく肯定的であること。善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心をもっていること。努力を惜しまないこと。足るを知り、利己的でなく、強欲ではないことなど……」

『生き方』(サンマーク出版)

どれも言葉にすればごくありふれた道徳的な行いだ。
しかしながら言うは易く行うは難し。

世の中に、これらすべてを実践できている人が一体どれだけいるだろうか。

一生をかけて挑戦していかなければならない果てなき道。
シンプルに見えて途方もなく奥深いのが稲盛先生の”考え方”だ。

なお3つの要素のうち考え方については、『考え方』というそのものズバリなタイトルの本も出されている。
『生き方』と合わせて読めば、考え方×熱意×能力の方程式に対する理解がより深まるだろう。


学生時代、ボクは英語講師を目指していた。
英語講師としての能力は人並み以下だったけれど熱意だけは人一倍で、自分の能力からはとても考えられないようなチャンスをいくつもいただいた。

でもそれを活かすことなく道半ばで断念してしまったのは、考え方がマイナスだったからだ。
とくに仕事や周囲の人間に対する誠実さを著しく欠いていたように思う。
考え方がゆがんでいたために、自分で道を閉ざし、十字架を背負った。

ボクはいま、20年ぶりに英語を勉強している。
(まだまだ未熟だけれども)少しずつプラスの考え方ができるようになってきた今、一度は諦めた道に、もう一度だけ挑戦してみたいと思ったからだ。

20年という歳月は、そう簡単に取り戻せるものではない。
20年先を行く人たちは、はるか彼方で今も走り続けている。
でもそれは、挑戦をしない理由にはならない。

それに成果は掛け算で得られるのだから、たとえ能力や経験に乏しくとも、考え方を磨くことを怠らず、熱意の火を絶やさず前進すれば、残りの人生、まだまだどんなドラマが待っているかわからないじゃないか。

一日一日をど真剣に生き、生まれたときより少しでもマシな人間になること。
少しでも美しい魂になって、今世を全うすること。

それが、今のボクにできること。やるべきことだ。

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この記事を書いた人

85年鹿児島生まれ。立教大学文学部中退。ブログ「豊かな生き方研究所」を運営。心の不調や人間関係の悩みから引きこもりや転職をくり返していたが、斎藤一人さんの教えに出会って人生が好転。ブログでは”心の楽しさと経済的豊かさの両立”を目指してさまざまなことに挑戦する過程を発信している。
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