何か自分に悪い出来事が起こると、ついつい「最悪だな」「ツイてないな」と思ってしまうことがあります。

でも不幸や災難に対する向き合い方を変えれば、人生がより豊かになるかもしれません。

たとえば仏教では、悪いことが起こると過去世からの因果だと考えます。

今世でよい行いをしている人にも、前世で犯した罪の報いによって悪いことが起こります。

キリスト教には、原罪という考え方があります。

禁断の実を口にしてしまったアダムとイブの子孫である人間は、もともと罪深い存在で「原罪」を背負って生まれてくるといいます。

仏教でもキリスト教でも、不幸や災難を受け入れようとする姿勢が見られます。

これに対して、ユダヤ教の最悪に対するアプローチは、仏教やキリスト教のそれとは少し向き合い方が異なります。

ユダヤ教では悪いことが起こると、「正しい人には神が試練を与えることがある」と考えたり、あるいは「もっと悪い出来事が起こるのを防いでくれるのが今の不幸である」ととらえます。

不幸や災難はどうしても起こり得るものだから、避けようとするのではなく、絶対に諦めずになんとかして乗り越えようとするのが、ユダヤの人々なのだそうです。

ユダヤ人は、エジプト脱出やナチス・ドイツによるユダヤ人狩りなど、歴史的に幾度となく虐げられながらも絶えることなく生き抜いてきました。

しかも彼らは、ビジネスの世界において非常に優秀な民族として知られます。

Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグや世界的に有名な投資家ジョージ・ソロスをはじめ、大きな成功を収めたユダヤ系の人物も少なくありません。

ナチス・ドイツの強制収容所を生き延びた体験を描いた『夜と霧』の著者ヴィクトール・フランクルは、過酷な強制労働に耐えながらも精神科医の立場から自身や周囲の内面と外面の変化を冷静に分析しました。

毎日同胞たちが殺され、自身もいつ命を落とすかわからない極限状態の中で、どうして彼らは希望を失わなかったのか。

もしかしたら、幼いころからヘブライ聖書とタルムードに生き方を学び続けるユダヤ人だからこそ、最後まで諦めずに生き延びることができたのかもしれません。

今回のお話は、石角完爾著『ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集』の中の一節を、なるべくわかりやすい言葉で短くまとめたものです。

タルムードは、幾度となく虐殺や迫害にあいながらも生き抜き、数多の偉人を輩出したユダヤの5000年の知恵の結晶です。苦難を乗り越え、豊かに生きるためのヒントが詰まっています。

ぜひ一度手に取ってみてください。