渡部昇一『人生を創る言葉』

今回ご紹介するのは、渡部昇一著『人生を創る言葉』。

『人生を創る言葉』は、上智大学名誉教授の渡部昇一先生が書いた名言集です。

古今東西の偉人たちが残した名言とその人物、背景のエピソードが収録されています。

帯にある通り、長者番付で2度日本一に輝いた大実業家 斎藤一人さんが「7回読みな」と薦める本であり、2005年の初版から何度も重版され、現在でも多くの読者に支持されています。


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成功の秘訣をさまざまな角度から学べる名言のアンソロジー

『人生を創る言葉』は全8章94節のお話で構成されています。各章にはそれぞれテーマがあり、テーマに沿った名言と人物、名言の背景にあるエピソードや渡部先生自身の体験などが書かれています。

ちょっとそれぞれの章を見てみましょう。

第一章 偉人たちの人間学 – よりよき人間のあり方
第二章 決断の瞬間 – 時を逃すな
第三章 勇気と覚悟 – 運命を開くもの
第四章 心を練る – 深く考え、迷わず動く
第五章 教育の急所 – 眠れる才能を引き出す
第六章 成功の秘密 – 「考え方」を工夫する
第七章 お金との付き合い方 – それぞれの金銭学
第八章 正直であれ、親切であれ – 人生の心得

人間学や決断、勇気、覚悟、教育、考え方、お金、正直、親切といった普遍的な言葉が並んでいるのがわかりますね。逆にいえば、これらは成功するために欠かすことのできないキーワードとも言えるでしょう。

8つの章の中には世界中の(重複している人物もいるので)90人近い偉人の名言が収められています。これだけ多くの偉人の名言やエピソードを体系的に学べる本は大変に貴重です。偉人たちの逸話を何度も読み成功者のエッセンスを見出すことができれば、きっとあなたの人生にも役立つはず。

各エピソードは2,3ページでコンパクトにギュっとまとまっているので、自分のペースで読み進めてみてください。

誰もが知るあの偉人の名言と背景の物語を心に刻む

94のお話からなる『人生を創る言葉』には、日本人なら誰もが知っているであろう偉人中の偉人たちの言葉やエピソードも多く含まれています。

世には卑しき業なく、ただ卑しき人あるのみ リンカーン

凡そ一日この世にあれば、一日の食を喰らい、一日の衣を着、一日の家に居る。なんぞ一日の学問、一日の事業を励まざらんや 吉田松陰

創見は難く、模倣は易し コロンブス

明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは 親鸞

ほかにも伊藤博文、武田信玄、徳川家康、ナポレオン、ベートーヴェン、宮本武蔵、徳川吉宗、ダーウィン、エジソン、アインシュタイン、大隈重信、ロックフェラー、新渡戸稲造…。国や分野に隔たりなく、多種多様な分野の偉人が取り上げられています。

名言は、その言葉だけでも十分に価値のあるものですが、その背景の深い物語まで含めて心に刻むことで、より大きな力をあなたにもたらしてくれるはずです。

戦前の日本人を育んだ歴史と伝統の息吹を感じる名著

珠玉の名言を選び『人生を創る言葉』を編んだのは、上智大学名誉教授の渡部昇一先生です。渡部先生は、ご専門の英語学だけでなく、歴史や哲学、人生論などの幅広い評論を残し、多くの人々に影響を与え続けています。

実は『人生を創る言葉』には底本と呼べるような本が存在します。それが、渡部先生が幼いころに読んでいた講談社の雑誌『キング』についていた付録の小冊子です。現在ではほとんど知る人のいない雑誌ですが、戦前の日本に登場した最初の100万部雑誌であり、国民の誰もが愛読する雑誌として、当時の人々の生き方や思想に大きな影響を与えました。

そんな国民雑誌キングの新年号には必ず、150ページ前後の小冊子が付録としてついてきたそうです。もちろん付録といっても現代のような化粧品やファッション小物ではありません。たとえば「偉人は斯く教へる」「絵話世間学」「考えよ!そして偉くなれ」といった骨太な読み物でした。地方の片田舎の人間から都心の名家良家の人間まで、みな同じ講談社の読み物で教養を得ていたといいます。

講談社の読み物に書かれていたのは「個々人がそれぞれに志を立てて、それぞれの道で偉くなれ」という教えでした。これは、福沢諭吉が『学問のすすめ』を書き、中村正直が『西国立志編』を訳したのと同じ精神です。明治の開国以来、文明国を目指す日本にはこうした個人主義的な考え方がたしかにありました。多くの日本人が、福沢諭吉や中村敬宇が説いた人生論を至上の生き方として受け留めていたのです。

ところが戦争によって全体主義に入り込み、「出世する」ということが非常にいやらしい意味を持つようになってしまいました。いまでこそ当たり前のように感じられる「個々人がそれぞれの道で志を遂げることはいいことだ」という雰囲気は、実はごく最近になってようやく日本人が取り戻しつつある考え方だったんですね。

渡部先生はおっしゃいます。昨今の青少年には、人生に対する向き合い方・進み方を教えてくれる人がいない。ニートは、本当に可哀そうな若者たちであると。

先行き不透明な人生に、我々がどのように対峙してきたか、それを披瀝することで、現代の青少年たちにも刺激やヒントを与えることができるのではないか、後悔のない人生を歩む助けとなるのではないか。そう思うのである。

渡部昇一先生と”人間学を探求する出版社”である致知出版社が力を合わせて現代に復刻した名著、それが『人生を創る言葉』です。

「自分はどのように生きていけばいいのか?」「人生の幸せとは何なのか?」そんな風に人生に不安を抱える人に、ぜひ手に取ってみていただきたいです。

あなたの人生を輝かせる素敵な言葉と出会えることを願っています。


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あとがき

この記事を書いている時点で、私はちょうど5回目に入ったところです。同じ本を何度も読んだら飽きるんじゃないかと思われるかもしれませんが、全然そんなことはなくて、むしろ読むたびに新しい発見があります。本当に読む価値のある名著というのは、そういうものなのかもしれませんね。