ボクが-30kg以上のダイエットに成功して、リバウンドをしない秘訣のひとつは、一日2食の習慣にある。
基本的に、食事は朝と夜だけ。
お昼は食べない。
食費が浮いて、昼休みの時間を有効に使えるといった理由もあるが、一日2食を実践するのにはもっと特別な理由がある。
それは、野生を取り戻すため。
太っている飼い犬や飼い猫はよく見かける。
先日、地元に帰省して祖母が溺愛している猫にあいさつをしてきたが、1日に5回も6回もごはんをあげるものだから、体型がどんどんマツコ・デラックスさんに似てきている。
一方で、太っている野生動物というやつはいないらしい。
野生動物たちは、肥満とは無縁の世界で生きている。
なぜ野生動物は太らないのだろうか?
医者でも学者でもない素人のボクが、ネットの海をさまよい集めた情報によれば、どうやら以下の3つの理由があるらしい。
野生動物が太らない理由① カラダの声に従っているから
野生動物は、カラダの声に従って食べているから太らない。
つまり、お腹が空いたら食べる。
空腹を満たすために食べるので、食べ過ぎることもない。
食べ過ぎて太れば、捕食者の餌食となって死に直結することを、本能で知っている。
一方、人間は「時間」に従って食べる。
カラダの声を無視して、食事の時間だからという理由で、あるいはストレスを発散したり、楽しんだりするために食べている。
長年の習慣によって、時間がきたらお腹が空くものだと、脳も錯覚しているのだ。
カラダには物理的な限界があるが、エンタメの食事には際限がない。
「食べ放題」なんてまさにエンタメ食の塊だ。
カラダの声を無視して、限界突破をくりかえし、人は太っていく。
野生動物が太らない理由② 太らない食べ方をしているから
野生動物は、自然と太らない食べ方をしているのだそうだ。
所沢の鍼灸師の先生が書かれたコラムで、こんな話が紹介されていた。
(元記事があるようだが、すでにリンク切れしていたのでコラムを引用させていただく)
野生動物の場合、
空腹を感じる状態は、エネルギー源であるブドウ糖が不足。
↓
狩りをするために、脂肪として蓄えていたものを燃焼させて、エネルギーに変換。
↓
獲物にありつくまでに脂肪が燃焼されることで、血糖値が元のレベルに上がり、強烈な空腹を感じない状態になる。
↓
食べ過ぎない。となるようです。
人間の場合は、
空腹を感じたら、活動することもなく、直ぐに食べ始める。
↓
脂肪を燃焼させる前に食べ始めるので、血糖値が下がったままで、食べる。
↓
血糖値が元のレベルに上がるまでは、空腹感があり、食欲が続くので、食べ過ぎる。となるようです。
野生の動物は、空腹→活動・運動→食事、となり、
人間は、空腹→食事、もしくは、空腹でもないけど時間が来た→食事、
となることが食べ過ぎの原因になっているということのようです。
鍼灸院神尾 コラム
ざっくりまとめると、
「野生動物はお腹が空いてから、食べる前に運動(狩り)をするから太らない。」
「人間は、お腹が空いたらすぐに食べるから太る。」
ということらしい。
ボクはココに着想をえて、一日2食をはじめた。
朝4時に起きてひと仕事したあと、7時にりんご、バナナなどのフルーツとヨーグルトを食べる。
お昼ごろになるとお腹が減るが、そこであえて食べない。
昼休みにはオーディオブックを聴きながらウォーキング。
夕方までに1日1万歩を達成したら、やっと食事にありつける。
もちろんときには友人とランチにいくこともあるし、欲望に負けて菓子パンやファミチキをむさぼることもある。
でも基本的には「昼食を抜いて運動をしてから食べる」野生の食べ方を実践しているから、太りにくいのだと思う。
野生動物が太らない理由③ 自然の食べ物を食べているから
野生動物は、自然の食べ物を食べているから太らない。
どうやら人間が生みだした人工的な食べ物には、脳を狂わせて、必要以上に食べさせる魔力があるらしい。
人工的な食事に関するおもしろい研究を見つけた。
空腹にしているサルに何も味付けしていない、ふかした芋をいつもの4倍(400g)も与えるということをしました。
もちろん空腹なので貪るように食べるのですが、いつもの食事分量(100g)だけ食べると食事をやめ、残っていても見向きもせずに帰ります。
どれほど多く与えられても、自分に適切な食事分量を把握できているので、食べすぎるということがなく太りませんでした。
ところが今度は条件を変えて、バターや砂糖をたっぷりつけたふかし芋を与えたところ、いつもの分量を超えても食べ続けるようになり、その結果かなり太ってしまったのです。
この研究を初めとする数々の研究から判明している事は、どうやら精製された砂糖やバターなどの甘味を大量に含む現代の食事は、脳の食事報酬系(満腹だと感じる神経)を狂わせて食べ過ぎを招いてしまうようです。
野生動物が太らない理由 | Romanoff-Lab
たしかにバターや砂糖のおいしさは悪魔的だ。
夜中にお腹が空いて冷蔵庫のホームパイに手を伸ばしたら、いつのまにかファミリーパックが1袋まるまる空になっていたなんて経験は、一度や二度ではない。
意志の弱いボクは甘いものの誘惑にはとてもあらがえないので、最近ではせめて家には極力甘いものをストックしないようにしている。
脳がバグるといえば、お酒も食欲をマヒさせる。
ボクは去年、お酒を完全にやめた。
(断っておくが、酒豪の親友もいるし、別に禁酒を勧めるつもりはない)
もうやめてから500日以上になるが、卒酒するまでは20代のころから毎晩欠かさず飲んできた。
度数が強めのチューハイや発泡酒を片手に、大量の揚げ物や炭水化物、お菓子を摂取する。
肉たっぷりのコンビニ弁当にカップ麺、おにぎり、ホットスナック、ポテチ、つまみ、菓子パン、アイス……。
しかも、朝昼もガッツリ食べているのだから驚きだ。
いま考えればよくあんなに食えたものだと感心するが、お酒を飲むと本当に無限に食べられた。
お酒を飲むときにはほとんど何も食べないという人もいる。
酒好きだけどまったく太らない人もいる。
肝臓でのアルコール分解が優先されて代謝が低下し、摂取したエネルギーが脂肪として蓄積されるのがお酒で太る理由らしいから、お酒だけで太るわけではない。
でもボクの場合、お酒が好きというより、お酒を片手に暴飲暴食するのが好きだったんだと思う。
カラダの声に従順なサルですら現代の食事には狂わされるんだ、お酒で理性というストッパーがはずれたら、人間だって食べ過ぎちゃうよね。
ときには軽い断食も悪くない
話は変わるけれど、断食(ファスティング)なんていうのも、空腹で活動するという意味では野生の理にかなっているのもしれない。
本格的な断食はやったことがないけれど、「最近食べ過ぎているなあ」と感じるときには、夕食を抜いて朝食→翌朝の朝食までプチ断食をすることはときどきある。
野生動物ではないが、狩猟採集をしていた古代の人々も、肥満とは無縁だったようだ。
なるほど飢えと戦い獲物を追い求めた縄文人の食習慣は、野生動物のそれに近いかもしれない。
まさか今から狩猟採集生活に戻るわけにはいかないけれど、「お腹が空いてから食べる」「食べる前に運動する」「自然に近いものを食べる」など、それっぽい生活をときどき採りいれるだけでも、ずいぶんカラダが喜ぶんじゃないだろうか。