上司や先輩に質問・相談にいったけどうまく伝わらにずにもどかしい思いをした経験、だれでも一度はありますよね。
コミュニケーション能力が高い人は、質問の仕方が上手です。
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンをうまく使い分けることで、相手から必要な情報を引き出すだけでなく、自分のイメージアップにも成功しています。
【ライタープロフィール】
にしむらけいいち(@tuiteru365)
古のブロガー。ブログデビューは2009年。アメブロ、ライブドア、FC2、はてな等を渡り歩き2015年にWordPressへ。すっかり書かない時期もありつつ何だかんだサーバー代を払い続けて早9年。世に放ち闇に葬ったブログは数知れず。最近は贈り物をテーマにしたブログに挑戦中。【特技】早寝早起き
コミュ力が高い人は質問がうまい
クローズドクエスチョンとは、相手の回答を限定する質問。
「はい」「いいえ」で答えられる質問や、選択肢の中から選ぶ形式の質問です。
- 田中さんはいますか? [います][いません]
- このペンはあなたのものですか? [そうです][違います]
- お肉とお魚ならどちらの気分ですか? [お肉です][魚です]
たとえば上記のような質問をクローズドクエスチョンといいます。
クローズドクエスチョンのメリットは、回答が限定されるため、会話がテンポよくスムーズに進むことです。
また会話の主導権を握るのにもクローズドクエスチョンが適しています。
ただしクローズドクエスチョンばかりだと、会話が尋問のようになって相手にストレスを与えてしまう恐れがあります。
クローズドクエスチョンと反対に、回答を限定しない質問をオープンクエスチョンといいます。
たとえば次のような質問。
- 田中さんはどこにいますか? [第三会議室です]
- このペンはだれのものですか? [佐藤さんのものです]
- 好きな食べ物は何ですか? [お寿司です]
オープンクエスチョンは、回答を相手にゆだねるので、会話を広げてつなげやすい点がメリットです。
相手からより詳しい情報を引き出したいときにも、オープンクエスチョンが有効。
コミュニケーション能力が高い人やセールスが上手い人は、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを自然と使い分けて会話をスマートに進めています。
クローズドクエスチョンで積極性をアピールする
クローズドクエスチョンは、相手から必要な情報を引き出すだけでなく、自分の積極性をアピールするのにも有効です。
「お客様が寒いと言っています。どうすればいいですか?」(オープンクエスチョン)
たとえばお客様から要望があった際、上記のようにオープンクエスチョンで上司にすべてを投げてしまったらどうでしょう?
質問が具体性に欠け、教えるほうもどこから教えていいのかわかりにくいですよね。
指示待ち人間に見えてしまい、頼りない印象を与えてしまうかもしれません。
「お客様が寒いと言っています。室温を少し上げてもいいですか?」(クローズドクエスチョン)
これなら室温の上げ方はわかっていることを示せますし、上司はYes・Noで簡潔に指示を出せます。
「お客様が寒いと言っています。室温を少し上げたいのですが、空調の調整方法を教えていただけますか?」
もし室温の上げ方がわからないのであれば、上記のように質問するのがよいでしょう。
A:「お客様が商品の速達での発送を希望しています。どうすればいいですか?」
B:「お客様が商品Xの速達での発送を希望しています。マニュアルには商品Xの速達は無料で受付可能と書かれていますが、私の認識は間違っていませんか?」
質問をするときには、Bのように、自分がどこまで理解していて、どこがわからないのかを示すのが大切です。
質問される側への思いやりを持ってクローズドクエスチョンを活用することで、仕事への積極性もアピールすることができます。
【参考】
矢野香著『最初の15秒でスッと打ち解ける大人の話し方』(日経ビジネス人文庫)
クローズドクエスチョンの大切さを感じたスーパーでの出来事
つい最近「クローズドクエスチョンって大切だな」と感じた出来事がありました。
いつも行く近所のスーパーで買い物をして、レジでお会計をしたときのこと。
(店員さんが商品をスキャンして、セルフレジで支払いをする形式)
店員さんがレジでスキャンするのを待っていたら、いきなり「お支払い方法は何ですか?」と聞かれて、びっくりして5秒くらい固まってしまいました。
なぜびっくりしたかって、毎日のように通っているけれど、今までそんなことを聞かれたことが無かったから。
「お支払い方法は何ですか」
「……カードで」
「ありがとうございました」
→セルフレジへ誘導
しかも回答後の会話がかみ合っていなかったので「何で聞かれたの?」という疑問も残りました。
今考えると、店員さんの意図はおそらく「セルフレジで支払いできない支払い方法ではないか」の確認をしたかったのだと思います。
○○Payなどの一部のバーコード決済は、そこのセルフレジでは払えないので店員さんがスキャンしてもらう必要があるんですよね。
ただそれであれば、もう少し別の聞き方があったのかも。
A:お支払い方法は何ですか?(オープンクエスチョン)
B:バーコード決済ではないですか?(クローズドクエスチョン)
Bの質問であれば「違います」とYes・Noで回答できますし、相手に質問の意図も伝わりますよね。
新人の店員さんだったのかもしれないし、混んでいたから「バーコード決済なら早く出してよね」という意味で言ったのかもしれません。
あるいはお店側の運用ルールが変わって、そう聞くように指導されていた可能性もあります。
だから店員さんを責める意図はまったくないです。
むしろ質問をしてくださったおかげで「なるほど。こういう場面ではクローズドクエスチョンが使えればスマートだよな」と学ぶ機会を得られたわけですから。大感謝です。
クローズドクエスチョンで会話をスマートに
今回は、会話がスマートになるクローズドクエスチョンの活用法をご紹介しました。
理屈ではわかっていても、会話中にクローズドとオープンどっちで聞くかを瞬時に判断するのはなかなか難しいですよね。
いくらクローズドクエスチョンが便利だからといってあんまり的外れな質問をしたら、積極性をアピールするどころか「こいつは何にもわかってないな」と評価を下げてしまうことだってあるでしょう。
だからケースバイケースではあるのですが、仕事だけでなく日常会話でも、質問や相談をする際にはぜひ今日も話を思いだしてクローズドクエスチョンを取り入れてみてください。