
この記事では、家庭用の無線LANルーター(以下Wi-Fiルーター)を買う前に知っておきたい基礎知識をご紹介します。
あなたにぴったりのWi-Fiルーターが見つかりますように。
Wi-FiルーターはBuffaloかNECの2択が安心
ますはWi-Fiルーターを販売しているメーカー選びから。
Wi-Fiルーターのメーカーといえば、
- Buffalo(バッファロー)
- NEC
- ELECOM(エレコム)
- IODATA(アイ・オー・データ)
- TP-LINK(ティーピーリンク)
- ASUS(エイスース)
- NETGEAR(ネットギア)
などが特に有名ですね。
安さだけならELECOMやIODATAのWi-Fiルーターも魅力的に見えますが、可能であればBuffalo製かNEC製のルーターを選ぶことを強くオススメします。
なぜなら、BuffaloとNECのWi-Fiルーターはトラブルが少ないから。
データの欠片もない主観的な意見で大変恐縮ですが、ともかく安心して使えるのがBuffaloかNECなんですよね。
逆にいえば、BuffaloとNEC以外のルーターはトラブルが起こってしまうことが多い印象です。
仕事柄、何百回もインターネットの初期設定やトラブルシューティングをやってきて痛感しています。
どこのメーカーとは言いませんが、初期不良が多かったり、設定が正常に反映されなかったり、すぐに故障してしまったり、、、。
何百回もやっている人間でさえ手こずるわけですから、まして初めての人なら相当苦労するに違いありません。
ですから特別なこだわりがなければ、BuffaloかNECのルーターを選ぶことをオススメします。
Wi-Fiルーターの速度(スペック)の簡単な見分け方
Wi-Fiルーターで皆さんが一番重視するのは、やっぱり速度ですよね。
ルーターごとに細かな機能の違いはありますが、Wi-Fiルータの基礎力である速度を簡単にチェックする方法があります。
それは、製品名(製品型番)の数字です。
たとえば、
WSR-2533DHP2
WSR-2533DHP2上のWi-Fiの速度は2533Mbps。
WG1200HP3
WG1200HP3のWi-Fiの速度は1200Mbps。
※1000Mbps=1Gbps
だからWSR-2533DHP2とWG1200HP3なら、WSR-2533DHP2のほうがWi-Fiの通信速度が速いということになります。
正確には、製品名の数字は5GHzの速度と2.4GHzの速度の合計値です。
WSR-2533DHP2の場合、5GHzが1733Mbps、2.4GHzが800Mbpsで、合計が2533Mbpsですね。
しかしざっくり、製品名の数字が大きい方がより高速な通信ができると考えて差し支えありません。
※製品名の数字のルールが当てはまるのは、Buffalo、NEC、ELECOM、IODATAのWi-Fiルーターです。TP-LinkやASUSなどのWi-Fiルーターには、このルールは当てはまりません。
多くのWi-Fiルーターは2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯の電波が備わっています。スマホやパソコンで見ると、電波の名前(SSID)に2.4GHzは「g」、5GHzは「a」と書いてある場合も。たとえばBuffalo-A-〇〇〇、Buffalo-G-〇〇〇だったり、aterm-〇〇〇-a、aterm-〇〇〇-gのような感じです。2.4GHzのWi-Fiと5GHzのWi-Fiにはそれぞれ特徴があります。
2.4GHz・・・障害物に強い=電波がより遠くまで届く 家電製品などの電波干渉を受ける可能性がある
5GHz・・・2.4GHzより速度が速く安定する。障害物に弱い=遠くまでは届きにくい 電波干渉を受けにくい
IPv6の高速インターネットに対応しているか?
これからWi-Fiルーターを買うなら、IPv6の高速インターネットに対応しているWi-Fiルーターを選びましょう。
IPv6の高速インターネットについて簡単に説明しますね。
これまでのインターネット(光回線)の通信方式は、PPPoEと呼ばれるものでした。
※PPPoE(ピーピーピーオーイー):Point-to-Point Protocol over Ethernet
トンネル方式のインターネットなんていわれます。
PPPoEはそれまでのインターネットよりずっと速かったのですが、利用者が増えすぎてしまって速度が出しづらくなってしまいました。
いつも渋滞している高速道路みたいなものです。
インターネットは、自宅からNTTの回線(NGN)を通って、プロバイダ経由で接続されます。
NTTとプロバイダの間にはネットワーク終端装置(NTE)と呼ばれる機器があって、PPPoEでネットに接続するためにはココを必ず通らなくてはなりません。
ネットワーク終端装置はプロバイダごとに設置されているのですが、同時に使える人数(セッション数)に制限があるんです。
まるで高速道路の料金所が混みあっているように、途中で詰まってしまうんですね。
しかもPPPoEには最大200Mbpsの速度制限もあります。
だから1Gbpsの回線を契約していても、物理的に200Mbps以上は出ないような仕組みになっているんです。
インターネットが遅くなってしまうのは、この人数制限と速度制限が原因だったんですね。
そこで登場したのがIPoE。
IPoEは、PPPoEの欠点だった人数制限や速度制限を解消して、快適にインターネットを楽しむことができる新しい通信方式です。
どうしてIPv6の高速インターネットと呼ばれるのかというと、IPoEはIPv6のIPアドレスを使って接続するから。
※ちなみにIPアドレスとは、インターネット上の住所みたいなものです。
PPPoEのときにはIPv4というIPアドレスを使っていたんですよね。
でもインターネットを利用する人が増えすぎて、IPv4アドレスは数が足りなくなってきてしまいました。
だから世界中の人が余裕を持ってインターネットを使えるように、IPv6アドレスが登場したんです。
IPv4アドレスは、世界中の人に一人1個ずつ割り当てると足りないくらいだったんですが、
IPv6アドレスは、世界中の人類全員の細胞ひとつひとつにIPアドレスを割り当ててもまだ余るそうですよ。
想像もつきませんねえ。
またIPoE接続は、PPPoEのようなユーザー認証(プロバイダのユーザーIDとパスワードを使う認証)が不要なので、接続設定もPPPoEより簡単です。
少し長くなったので話をまとめましょう。
IPv6の高速インターネットとは、IPv6のアドレスを使って、IPoEの通信方式で回線を接続する、より高速で快適なインターネット通信なんです。
※IPv6をIPoEで接続するインターネットなので、IPv6 IPoEやIPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)と呼ばれます。IPv4 over IPv6とは、IPv6の通信上で従来のIPv4の通信も使える技術のことです。
▽参考
IPoE接続とPPPoE接続との違い | NTTコミュニケーションズ 法人のお客さま
IPv6の高速インターネットを利用する条件は2つ。
- IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)を提供しているプロバイダと契約していること
- IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)に対応しているWi-Fiルーターを持っていること
プロバイダによっては申し込みが必要になるので、まずは自分が契約しているプロバイダに、IPv6の高速インターネットが使えるか確認してみましょう。
プロバイダで確認がとれたら、あとはIPv6対応のWi-Fiルーターを用意するだけ。
せっかくなので、プロバイダで対応ルーターの製品名も聞いておいたほうがいいですよ。
あまり心配しなくても大丈夫ですが、実はIPv6 IPoE通信にはいくつも種類があって、その種類によって対応ルーターが違うんです。
最新のルーターだからといって、必ずしもIPv6の高速インターネットが使えるわけではないので注意しましょう。
▽参考
IPv6対応ルーターを買ったのにネットが繋がらない原因と対策
Wi-Fiルーターは回線以上の速度は出ない
Wi-Fiルーターの値段はピンキリです。
3千円程度のモノから、中には5万円以上するモノまであります。
基本的に値段の高いルーターほど性能も高くなりますが、性能が高いルーターを買ったからといって、絶対に速度が速くなるわけではありません。
というのも、いくらWi-Fiの速度が速くても、回線の速度以上のスピードは出ないからです。
最近だとWi-Fi6(802.11ax)に対応している超高速のWi-Fiルーターも登場しています。
たとえばBuffaloのWXR-5950AX12やNECのWX6000HPは、理論上約6000Mbpsの速度が出ます。(※2.4G+5G)
上の2つのWi-Fiルーターは、いづれも10G回線の利用者を想定して作られているんです。
10G回線はまだ一般にはあまり普及しておらず、現在auひかり(auひかり ホーム10ギガ)などごく一部の回線事業者のみで提供されています。
» 世界最速!auひかりホーム10ギガ始動!高速通信!【auひかり】
それ以外の光回線は、1G回線が主流です。
マンションタイプのVDSL方式(電話回線を使った方式)の場合は、100Mか200Mになっているでしょう。
つまりいくらWi-Fiルーターの速度が6ギガだとしても、回線の速度が1ギガであれば1ギガ以上の速度は期待できないわけですね。
たとえるなら、制限速度60㎞の道路をF1のレーシングカーで走るようなものでしょうか。
別に使っちゃいけないわけではないですが、宝の持ち腐れのような気がしてなりません。
まずは自宅の光回線の契約プランをチェックして、ぴったりのWi-Fiルーターを選ぶようにしましょう。
↓オススメのWi-Fiルーター
BuffaloのルーターにはWXRシリーズとWSRシリーズがあります。
WXRは外付けアンテナのタイプ、WSRは内蔵アンテナのタイプがラインナップされています。
また全体的にWXRシリーズのほうが多機能なモデルが多いようです。
ちなみにWTRシリーズはメッシュWi-Fi対応、WCRは小型モデル、WEXは中継機。
過去モデルのWZRはWXRの先代モデル、WHRはWSRの先代モデルのようです。
※独自調べ
まとめ
今回は、買ってから損をしないためのWi-Fiルーターの選び方をまとめました。
最後にもう一度おさらい。
- Wi-FiルーターのメーカーはBuffaloかNECが安心
- Wi-Fiの速度はルーターの製品名でチェックする
- IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)に対応しているWi-Fiルーターを選ぶ
- 契約している回線の種類によっては、高速なWi-Fiルーターを買っても(あまり)意味がない
Wi-Fiルーター選びの参考にしていただけたら嬉しいです。